第4回:ENG-REPORT-002(Part 1)「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」 ~なぜこのレポートが生まれたのか?~ +SolidWorks-スマホスタンドの作り方part3

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2026年2月16日

 

第4回:ENG-REPORT-002(Part 1)

「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」

~なぜこのレポートが生まれたのか?~

+SolidWorks-スマホスタンドの作り方part3

 

<目次> ─────────────

 

・今回の技術レポートの紹介

 

・技術レポートの背景

 

・技術レポートの狙い・目的

 

・次回予告

 

・モデリング技術+動画

 

 

<今回の技術レポートの紹介> ─────────────

 

こんにちは、FRPカジR&Dセンター 入社3年目の山北 桜子です。

 

今回から ENG-REPORT-002

「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」を取り上げます。

 

ここでいう繊維充填とは「繊維が狙い通りに詰まっているか」ということです。

また、ボイドとは「成形時に残る微小な空気や隙間」のことです。

 

Part 1では、なぜこの評価が必要になったのか、

現場で困りがちな“充填ムラ”や“空隙(くうげき)”の課題を背景から整理していきます。

 

技術資料はこちら

・「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」技術資料_ENG-REPORT-002

 

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「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」技術資料_ENG-REPORT-002 - 株式会社FRPカジR&...   「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」に関する pdf資料はこちら。 背景 FRP(Fiber Reinforced Plastics : 繊維強化プラスチック)の成形法におい...

 

 

<技術レポートの背景>  ─────────────

 

ガラスマットなどに樹脂を含侵(浸み込ませる)作業をハンドレイアップで成形するとき、

いつも悩みのタネになるのがボイド(空気の溜まり)です。

 

とくに、細い溝や入り組んだ形状をしている製品では、その傾向が強くなります。

 

一般的には、脱泡ローラー(豚毛)を使って樹脂の中に入り込んだ空気を押し出していきますが、

溝のような細いところにはローラーそのものが入りにくいです。

 

無理に転がそうとすると、ガラスマットが引っ張られて反対側が浮いてしまい、

その結果、樹脂との密着が悪くなり、ボイドが残りやすいといった問題が起こります。

 

実際、ルーバー(通気口のような細いスリットが並ぶ部品)や、複雑な流路を持つ部品では、

「ローラーをかけたい場所ほどローラーが届かない」というジレンマがありました。

 

ENG-REPORT-002では、まさにこうした「ローラーが当てにくい形状」を対象にしています。

 

そこで当社では、従来のローラーとは異なる新しい脱泡のやり方

(本レポートでは「新工法」と記載)を検討してきました。

 

細部のノウハウ自体は公開していませんが、この「新工法」によって、

従来の脱泡ローラーではどうしても取り切れなかったボイドを、

どこまで減らせるのかを確かめたい──

それがこの技術レポートの背景になります。

 

 

<技術レポートの狙い・目的>  ─────────────

 

このレポートの目的は、ひと言でいうと、

「新工法は、本当にボイド低減に効いているのか?

 

従来工法と比べて、どれくらい違いが出るのかを、

客観的なデータで確かめる」ことにあります。

 

具体的には、従来の工法(脱泡ローラーを使った成形)と

新工法で成形したサンプルを2つ準備し、

X線検査によって内部のボイドを比較しています。

 

この評価を通じて、ボイドの有無や分布がどう変わるか、

特に、細い溝や入り組んだ形状で差が出るかどうかを見ます。

 

どの程度までなら、新工法を適用する価値があると言えるのかといったポイントを整理し、

今後、こうした形状の製品設計や成形条件を検討する際の判断材料にすることが、

この技術レポートの狙いです。

 

 

<次回予告>  ─────────────

 

次回 ENG-REPORT-002(Part 2) では、

従来工法と新工法で成形したサンプルをどう作り分けたのか、

そしてそのサンプルを使って X線検査で「何を」「どのように」見たのかを整理していきます。

 

「X線画像から、ボイドの違いをどう読み取ればいいの?」といった疑問に、

私・山北 桜子の目線で一つずつ触れながら、試験プロセス・手法の全体像をかみ砕いてお伝えする予定です。

 

 

<モデリング技術+動画>  ─────────────

 

〈モデリング作業のコツ〉

今回の動画は

「SolidWorks-スマホスタンドの作り方part3」です。

 

・上記の概要に該当する動画のURL

 

 

1. スタンドにデザインを入れます。

2. 完成しているスマホスタンドモデルの斜面(スマホが当たる面)をクリックし、スケッチ → スケッチを作成」を選択します。

3. スケッチツールバーから「長方形(Rectangle)」を選択し、適当なサイズで四角形を描きます。

4. スマート寸法ツールをクリックし、寸法を定義します。

5. 「押し出しカット(Extruded Cut)」 をクリックし、カットします。

 

 

・本モデリング技術の応用例

押し出しカットは、形状をただ「くり抜く」だけでなく、

工夫次第でデザイン性・機能性・加工性を大きく向上させられるコマンドです。

 

① デザインの掘り込み(美観・ロゴ・装飾)

文字ツール+押し出しカットで、製品に会社ロゴや名称を入れられます。

 

② パターン模様の追加

ストライプ、溝、格子模様を浅くカットすることで、

滑り止め・質感向上・デザイン付加が可能。

 

③ オシャレな抜き穴デザイン

スマホスタンドのように「傾斜面に四角・円・スプライン」を描き、

押し出しカットすると、アクセント付きのデザインが可能。