第5回:ENG-REPORT-002(Part 2)「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」~実際にどう検証したのか? 試験条件の全貌を探る~+SolidWorks-スマホスタンドの作り方part4

株式会社 FRPカジR&Dセンター メールマガジン

◇◇◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇

◇◇ 若手が学ぶ!FRPカジの技術レポート徹底解説 ◇◇

◇━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◇◇

2026年3月15日

 

第5回:ENG-REPORT-002(Part 2)

「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」~実際にどう検証したのか? 試験条件の全貌を探る~+SolidWorks-スマホスタンドの作り方part4

 

<目次> ─────────────

 

・前回(Part 1)のおさらい

 

・試験プロセス・手法

 

・次回予告

 

・モデリング技術+動画

 

<前回(Part 1)のおさらい> ─────────────

こんにちは。FRPカジR&Dセンター 入社3年目の山北 桜子です。

前回(Part 1)では、ENG-REPORT-002のテーマである「ボイド低減」について、

まずは背景・目的、狙いを整理しました。

 

一般的な脱泡ローラーは、平らな面では扱いやすい一方で、

細い溝のような形状だと、脱泡ローラーが入りにくく、うまく機能しなかったりします。

 

さらに、無理に脱泡しようとすると、ガラスマットが引っ張られて別の場所が浮いてしまい、

結果として樹脂との密着が悪くなってボイドが残る——

そういう課題がある、という内容でした。

 

そこで当社では、ローラー類だけでは取り切れないボイドを減らすために、

「新工法」を適用し、その効果を検証したのがENG-REPORT-002です。

 

今回はPart 2として、「その検証をどう進めたのか」を、

レポートの記載に沿って整理します。

 

技術資料はこちら

・「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」技術資料_ENG-REPORT-002

 

株式会社FRPカジR&Dセンター
「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」技術資料_ENG-REPORT-002 - 株式会社FRPカジR&...   「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」に関する pdf資料はこちら。 背景 FRP(Fiber Reinforced Plastics : 繊維強化プラスチック)の成形法におい...

 

<試験プロセス・手法>  ─────────────

 

今回の検証は、流れとしてはとても分かりやすくて、

「従来工法と新工法で成形したものを用意して、X線検査で内部を比較する」という形になっています。

 

まず工法は2つです。

ひとつは、一般的な脱泡ローラーを使う従来工法。

 

もうひとつは、従来工法では取り切れないボイドを減らすことを狙った、

当社独自の新工法です(詳細非公表)。

 

詳細は非公表のため、本稿では比較の考え方に絞ってご紹介します。

「従来工法と比べてボイドを抑えるための工夫が入った方法」なんだなと捉えて読み進めて下さい。

 

効果の確認は、X線検査の画像から行います。

 

FRPって、外から見ただけでは中の状態が分かりにくいので、

X線で内部を見て、

「ボイドがどれくらい残っているか」

「どのあたりに出やすいか」

を、従来工法と新工法で並べて比べています。

 

今回の検証対象は、ルーバーのような細い溝や入り組んだ形状を含む部位です。

 

評価に用いたサンプルでは、溝(凹部)に相当する幅は約30 mmで、

評価(カット)領域は高さ100 mmの範囲を対象としています(単位:mm)。

 

※本メルマガでは図を掲載できないため、形状の詳細は技術資料本文をご参照ください。

 

こういった形状は、従来の脱泡ローラーが入りにくく、

ボイドが残りやすい条件になりがちです。

 

だからこそ、工法を変えたときの違いが、X線検査の結果にも表れやすい——

というと考え方だと思います。

 

Part 2では、まずこの「比べ方の枠組み」を押さえておくことで、

次回Part 3の結果が読みやすくなるように整理してみました。

 

<次回予告>  ─────────────

 

次回 ENG-REPORT-002(Part 3) では、いよいよ結果編です。

X線検査の比較から、ボイドがどのくらい減ったのか、

またどんな形状で違いが出やすかったのかを、レポートの内容に沿って整理します。

 

メルマガの性質上、X線の画像は掲載することができません。

その代わりに次回は、X線結果から読み取れるポイント(ボイドの有無・出やすい位置)を、

文章で分かる形に整理します。

 

画像を含む詳細は技術資料(ENG-REPORT-002)をご参照ください。

 

<モデリング技術+動画>  ─────────────

 

〈モデリング作業のコツ〉

今回の動画は

「SolidWorks-スマホスタンドの作り方part4」です。

 

・上記の概要に該当する動画のURL

 

1. Part3で描いた四角のスケッチの続きです。

2. カット押し出しコマンドで方向の「反対側をカット」にチェックをいれます。

3. カットする方向と距離を、マウスでドラッグして決定します。

 

・本モデリング技術の応用例

スマホスタンドPart3〜4で行った内容の応用として

1. ロゴ・文字の刻印

2. 四角・円・スプライン形状の装飾抜き

3. デザインスリット

があります。

 

ポイント

→ 深さを 0.5〜2mm 程度にすると「彫刻表現」になります。

→ 傾斜面に直接スケッチできるのがSolidWorksの強みですね。