株式会社 FRPカジR&Dセンター メールマガジン
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2026年3月15日
第5回:ENG-REPORT-002(Part 2)
「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」~実際にどう検証したのか? 試験条件の全貌を探る~+SolidWorks-スマホスタンドの作り方part4
<目次> ─────────────
・前回(Part 1)のおさらい
・試験プロセス・手法
・次回予告
・モデリング技術+動画
<前回(Part 1)のおさらい> ─────────────
こんにちは。FRPカジR&Dセンター 入社3年目の山北 桜子です。
前回(Part 1)では、ENG-REPORT-002のテーマである「ボイド低減」について、
まずは背景・目的、狙いを整理しました。
一般的な脱泡ローラーは、平らな面では扱いやすい一方で、
細い溝のような形状だと、脱泡ローラーが入りにくく、うまく機能しなかったりします。
さらに、無理に脱泡しようとすると、ガラスマットが引っ張られて別の場所が浮いてしまい、
結果として樹脂との密着が悪くなってボイドが残る——
そういう課題がある、という内容でした。
そこで当社では、ローラー類だけでは取り切れないボイドを減らすために、
「新工法」を適用し、その効果を検証したのがENG-REPORT-002です。
今回はPart 2として、「その検証をどう進めたのか」を、
レポートの記載に沿って整理します。
技術資料はこちら
・「繊維充填改善とボイド低減を実現する新工法成形体の評価」技術資料_ENG-REPORT-002

<試験プロセス・手法> ─────────────
今回の検証は、流れとしてはとても分かりやすくて、
「従来工法と新工法で成形したものを用意して、X線検査で内部を比較する」という形になっています。
まず工法は2つです。
ひとつは、一般的な脱泡ローラーを使う従来工法。
もうひとつは、従来工法では取り切れないボイドを減らすことを狙った、
当社独自の新工法です(詳細非公表)。
詳細は非公表のため、本稿では比較の考え方に絞ってご紹介します。
「従来工法と比べてボイドを抑えるための工夫が入った方法」なんだなと捉えて読み進めて下さい。
効果の確認は、X線検査の画像から行います。
FRPって、外から見ただけでは中の状態が分かりにくいので、
X線で内部を見て、
「ボイドがどれくらい残っているか」
「どのあたりに出やすいか」
を、従来工法と新工法で並べて比べています。
今回の検証対象は、ルーバーのような細い溝や入り組んだ形状を含む部位です。
評価に用いたサンプルでは、溝(凹部)に相当する幅は約30 mmで、
評価(カット)領域は高さ100 mmの範囲を対象としています(単位:mm)。
※本メルマガでは図を掲載できないため、形状の詳細は技術資料本文をご参照ください。
こういった形状は、従来の脱泡ローラーが入りにくく、
ボイドが残りやすい条件になりがちです。
だからこそ、工法を変えたときの違いが、X線検査の結果にも表れやすい——
というと考え方だと思います。
Part 2では、まずこの「比べ方の枠組み」を押さえておくことで、
次回Part 3の結果が読みやすくなるように整理してみました。
<次回予告> ─────────────
次回 ENG-REPORT-002(Part 3) では、いよいよ結果編です。
X線検査の比較から、ボイドがどのくらい減ったのか、
またどんな形状で違いが出やすかったのかを、レポートの内容に沿って整理します。
メルマガの性質上、X線の画像は掲載することができません。
その代わりに次回は、X線結果から読み取れるポイント(ボイドの有無・出やすい位置)を、
文章で分かる形に整理します。
画像を含む詳細は技術資料(ENG-REPORT-002)をご参照ください。
<モデリング技術+動画> ─────────────
〈モデリング作業のコツ〉
今回の動画は
「SolidWorks-スマホスタンドの作り方part4」です。
・上記の概要に該当する動画のURL
1. Part3で描いた四角のスケッチの続きです。
2. カット押し出しコマンドで方向の「反対側をカット」にチェックをいれます。
3. カットする方向と距離を、マウスでドラッグして決定します。
・本モデリング技術の応用例
スマホスタンドPart3〜4で行った内容の応用として
1. ロゴ・文字の刻印
2. 四角・円・スプライン形状の装飾抜き
3. デザインスリット
があります。
ポイント
→ 深さを 0.5〜2mm 程度にすると「彫刻表現」になります。
→ 傾斜面に直接スケッチできるのがSolidWorksの強みですね。
